Beyond Tomorrow

MADE IN NEW JAPANTop

困難を乗り越えた若者の明日を支えるために(仮訳)

2011年に日本の東北地方を襲ったマグニチュード9.0の地震は、そこで暮らす学生達のありふれた平和な生活を数時間のうちに奪っていった。巨大な津波により両親、家、友達、学校までのまれてしまった若者もいるという。

しかし、2011年3月11日を機にたくましく成長し、社会における自分の役割を考え始めるようになった学生達もいる。

悲劇のさなかで希望の兆しを見出す助けとなったのは、Beyond Tomorrowであった。Beyond Tomorrowとは、被災した若者達が、未来の日本のリーダーになるべく高等教育を受けられるよう支援するプログラムである。

「大きな苦難が偉大なリーダーを育てるのは歴史が示すところです」と語るのは、東京を本拠にBeyond Tomorrowを運営する非営利財団「教育支援グローバル基金」の事務局長を務める坪内南さん。「東北の若者達には偉大なリーダーとなる大きな可能性があります。あれだけの困難を経験したのですから」。

Beyond Tomorrowは2つの柱からなる。国内外でより高度な教育を希望する学生達のための奨学金制度と、学生達が世界における彼らの役割を実現するためのリーダーシップ教育を提供する支援プラグラムである。

坪内さんは、日本国外の人達との対話を通じて、若い世代が視野を広げるための活動を行いたいとずっと思っていた。東日本大震災が起こった当時、坪内さんはバーレーンで働いていたが、すぐに日本へ戻り、宮城県の被災地へ向かった。がれきと被害を目の当たりにしたことが、彼女を被災地の若者支援に重点的に取り組ませることとなった。

Beyond Tomorrowを開始すべく、2011年6月までには彼女は教育支援グローバル基金を設立した。Twitter日本の代表の近藤ジェームズを含めた若いビジネスリーダー達の協力があり、また、元経済閣僚で慶應義塾大学教授の竹中平蔵がアドバイザーになった。

最初のプロジェクトとして、Beyond Tomorrowは2011年に中国の大連で開催された世界経済フォーラムのニュー・チャンピオン年次総会、通称「サマーダボス」に、両親を亡くした若者を含む東北地方出身の7名の高校生と大学生を送り込んだ。

大震災を語る

会場で、学生達は、震災での大惨事についての自分達の体験談を、世界中の政治やビジネスのリーダー達に語り、多くの聞き手の涙を誘った。

「人々はニュースで津波やがれきの映像を見たかもしれません。でも、被災者が人々に話をしない限り、被災者がどう感じているかを知る手立てはありません」と震災当時、仙台育英学園高校1年生だった菅原彩加さんは言った。「私は、日本国外の人達に、私達にとって震災を生き延びるということは、その人達が思うよりもはるかに大変だということを知ってもらいたかったのです」。

菅原さんは、母親ががれきの下に閉じ込められているのを見つけ、助けようとしたが助けられなかった。祖母もその日に亡くなった。

「生き延びた学生達は、自分達が哀れで惨めだと見られているという気持ちに耐えられません。そういう気持ちから脱却する一つの手立ては、前に進むこと、そして、困っている人達のために自分が果たせる役割を見つけることです」と坪内さんは言う。外国に行くことは、学生達自身が果たすべき役割を見つけるきっかけの一つなのだ。

2011年の10月、Beyond Tomorrowは第1回東北未来リーダーサミットを開催した。宮城県、岩手県、福島県から約70人の高校生を東京へ招き、彼らの荒廃したふるさとをどうやって再建し、活気を取り戻すかを話し合った。第2回サミットは75人の参加の下、昨年開催された。

「サミットに出席するまでは、彼らの多くは受け身で、自分が率先して地域のために何かをする人間になるとは思いもしませんでした」と坪内さんは言う。「しかし、彼らの仲間に会ってからは、自分達が行動を起こさなければいけないのだ、と感じ始めています」。

自分の役割を見つける

岩手の出身で、群馬県の高崎経済大学で学ぶ佐藤滉さんは、Beyond Tomorrowの活動を通じて、東北出身のたくさんの学生達がふるさとを助けるために何かしようとしていることを知ったと言う。

「彼らに会った後、自分も何か力になりたいと思うようになりました」と佐藤は言う。佐藤さんは宮城県の石巻で交流プログラムを主催。2月下旬にボストンから11人の高校生を招待した。「私は、東北のたくさんの人達が、この場所をもっと良い場所にするために一生懸命働いているのだ、ということを海外の人々に知ってもらいたいと思いました」。

ボストンから来た高校生は、東北で学生達と出会ったことを忘れずに、自分の国で被災地のことを伝えるつもりだ、と言ってくれた。

Beyond Tomorrowを通じてグローバルに活躍しているメンター(助言者)に会った後、学生達は世界の諸問題が他人事ではなく、自分ごとと感じるようになるのだと坪内さんは言う。

「学生達は、国際社会からの救援物資が、彼らが一番大変だった時に生き延びる助けとなったことを知っています」と彼女は言った。「今度は自分達が、外国で苦しんでいる人々を助ける番だと感じているのです。」

Beyond Tomorrowが、日本以外の災害に見舞われた国でも、若者を支えるモデルになる日を、坪内さんは願っている。

Produced by The Japan Times